だが、この厳しさが今の日本人には欠けている。上下関係が親分子分の関係、いや仲間同士の関係のレベルなので、へたをすると共謀して事をうやむやにしかねない。挙げ句の果てに組織ぐるみの一大不祥事となって、会社の屋台骨さえ脅かしてしまうケースも少なくない。汚職やインサイダー取引、一時の食品偽装問題など、上司と部下が共謀している場合が日本ではよく見られる気がする。
弟子が師の教えを守らない場合、容赦なくこれを斬ることができなければ、組織は乱れる。だから、処罰は公平にしなければならない。へたな仏心を出すことは、組織全体に対する背信である。そして、それは師自身も処罰の対象となることを意味する。
あなたが上司なら、また部下が1人でもいるなら、自分が師であることを自覚することから始めるべし。
仲の良い上下関係ではなく、
厳しい指導が当たり前の
師弟関係をつくる。
(※『上司が「鬼」にならねば、部下は動かず 上司の鬼31則ノート』第6則(プレジデント社刊)より)