アイウィル代表取締役 染谷和巳
1941年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)卒業。出版社・社員教育機関勤務を経て88年から現職。部下の指導法など幹部教育の第一人者として活躍中。

ガツンと叱ることのできる上司はどんどん減っています。絶滅しかけていると言ってもいい。それはなぜか。

人を叱るには多大なエネルギーを使います。たとえば、やっちゃいけないことをしている人間に「そんなことはするな!」と言いますね。これは相手を否定することです。プライドや心を傷つけます。だから相手は、言ってくれた人間を憎みます。嫌います。最悪の場合は殺したいと思う。それを感じるから、上司は叱ることを躊躇します。

煎じ詰めれば、心の弱さです。また、いまどきの上司たちが受けてきた学校教育のあり方も問題です。先生の言うことを真に受ければ、叱ってはいけないことになる。家庭教育でも、子どもを叱るときに殴ってはいけないことになっています。殴られず、叱られず。そうやって育ってきた人が叱る側にまわっても、叱れるわけはないですよ。