「なかなかやるな」と思わせる提案が必要

2回目は実現時の障害について合意し、対応策を話す

初回訪問で顧客が課題に対して自覚的になれば、次回訪問のアポ(アポイントメント)を取ることができます。1週間後など、2回目の訪問について具体的な日時を決めて、それまでにヒアリングした情報をもとに提案を用意します。

初回訪問でもらった質問に対して「なかなかやるな」という期待を超えた提案が必要になります。この提案で確実に期待を超えることが求められるのです。

その提案によって、顧客から「それならぜひやりたいね」という合意を取りつけることが目標になりますが、そのためのポイントがあるのです。

顧客の期待を超える提案を持っていけば、必ず「それはいいね」となるのですが、しかし「いいんだけどね」とも言われるのです。営業が提案したことを、顧客の社内で実現しようとすると、必ず障害が出てくるということです。

その障害について合意形成しながら、どうやって乗り越えるかを説明する(カウンタートークと言います)ことが、2回目訪問後半における最大のポイントになるのです。

2回目の訪問も、おそらく最長で1時間ぐらいになるかと思います。前半30分で提案、後半30分は実現時(営業の提案導入時)に発生する障害とその対応について話をするという内訳になります。

その中で、顧客の社内における意思決定フローや組織図、稟議りんぎの進め方、(商談に参加されている方以外で)他に誰に説明する必要があるか、なども確認します。

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担当者に「営業のフォロワー」になってもらう

商談で対面している相手が意思決定者であれば、2回目でクロージングすることも可能ですが、だいたいにおいては担当者であり、その後社内検討と意思決定者への説明があることが普通です。

そこで2回目の訪問の商談後半が重要になってくるわけです。実現への障害とその対応策について一緒に検討した相手であれば、「営業のフォロワー」になってくれることが普通だからです。

そうなれば、3回目の訪問の場をセッティングしてもらえますし、3回目で、営業と一緒になって、意思決定者を口説いてくれるようになります。「3回目に向けての作戦会議」のようなことが2回目の終わりに行われれば、2回目訪問の目標が達成できたと言えるでしょう。