リラックスする散歩、元気が出る散歩
実験の結果、歩くことで学生たちの気分は良くなり、不安は減り、時間に追われる感覚が減っていた。ここまでは予想通りだった。ただしこの実験では、歩く場所(公園または街)と、誰と歩くか(一人または友人と)という異なった条件で被験者を分け、それぞれ2回、40分間の散歩をさせていた。
その結果、学生たちは街歩きよりも公園を歩いているときのほうがリラックスしていたことがわかった。また、一人で公園を散歩しているときのほうが、友人と一緒に散歩しているときよりも元気が出ると感じていた。これは、一人でいるほうが自然に浸りやすいためだと考えられる。
しかし、街を散歩するときは、友人と一緒にいるときのほうが、元気が出ると感じていた。これは、誰かと一緒にいることでエネルギーが高まるためだと考えられる。
散歩は、元気になるための手っ取り早い方法だ。時間も距離も場所も決めず、自由に歩いてみよう。できれば公園や森、緑の多い通りを歩こう。誰かを誘うのもいい。ソローのように4時間も歩けないかもしれないが、10分程度のウォーキングだけでも、1日が、さらには人生全体が、より良いものに感じられるかもしれない。