たった40秒だけでもいい

研究結果は、はっきりと示している――自然とのつながりには、思っているよりも時間も労力もかからないのだ。

わずか1分以内でも、自然とのつながりの効果を得られる。

ある研究では、大学生の被験者150人に、集中力を測定するためのテストを受けさせた。被験者にはテストの前後に40秒間のごく短い休憩を取らせ、その際に緑の屋根かコンクリートの屋根を見せた。

その結果、休憩中に緑の屋根を見た学生は、コンクリートの屋根を見た学生に比べ、ミスが少なく、テストの課題に一貫して集中していたことがわかった。

自然を取り入れるもっと簡単な方法は…

視覚的な情報がなくても、自然とつながることはできる。

2018年に発表された研究では、被験者に目を閉じて自然音(鳥のさえずり、熱帯雨林の音、カモメの鳴き声、夏の雨の音)を聴かせた。

心地よい自然音を7分間聴いただけなのに、被験者はその後何時間も仕事に活力を感じたと述べた。

つまり、自然からエネルギーを得るのに、何時間も登山をしたりする必要はない。

簡単なのは、自宅に緑を取り入れることだ。理想的には、小さな庭をつくったり、室内に観葉植物を置いたりすること。住宅環境や経済的、時間的制約のためにそれが難しいという人は、寝室に自然の写真を飾るだけでもいい。

あるいは、自然音を聴く時間を意識的につくってみよう。森の中にいなくても、自然音を聴くだけで、潜在意識はあなたが森にいると解釈してくれる。寝る前に5分間、スマホで自然音を流してみてはどうだろうか。リラックスして眠りにつくのにも最適だ。