営業人生を長く楽しく続けるには
もちろん営業担当者個人としても、継続アプローチは大切だ。従来の刈り取り型営業では顧客をフローとしてとらえるため、毎年、ゼロから数字を積み上げる必要がある。その精神的・体力的負担が大きいせいか、ほとんどの営業担当者は内心で「早く出世して現場から解放されたい」と願っている。営業に長年携わってきた者として、営業の仕事がそのように受け止められているのは残念だ。
営業を長く楽しく続けるためには、顧客を資産としてとらえ、1社1社(1人1人)をロイヤルカスタマーに育てていく種まき型営業へのシフトが欠かせない。ストックならば、長く続けることで資産が積み上がり、安定的に成果を出しやすくなる。そこで余裕ができれば、営業という仕事に、より前向きに取り組めるはずだ。
5年後、10年後も、自分は営業に情熱をかけて取り組んでいられるのか。それを自問自答することが、継続アプローチを実現させる第一歩なのかもしれない。
長野県生まれ。工学部にて設計を専攻。設計士として活躍後、外資系ISO審査機関で営業職を経験。「最年少」「最短」「最高」記録を更新し、世界8カ国2300人のトップセールスとなる。その後営業に特化したコンサルティングファーム、カーナープロダクトを設立。「利益に直結させる」をモットーに数多くの企業の営業力強化に携わる。