カリスマ営業マンは、どんな手法を使っているのか。営業コンサルタントの菊原智明さんは「自分の利益ではなく、お客様の利益を最優先するというのが大前提。そう考えれば、『家を建て替えたい』というお客様に、『建て替えるのはまだもったいない』と話すこともある。私の場合、その結果、新築受注につながった」という――。(第2回)
※本稿は、菊原智明『使ったその日から売上げが右肩上がり! 営業フレーズ言いかえ事典』(大和出版)の一部を再編集したものです。
客の多くは営業マンに対して“天邪鬼”
【天邪鬼のお客様をその気にさせる】
×ありがちなフレーズ
ずいぶん使いましたね。買い替えどきですよ
○心が動くフレーズ
もったいないじゃないですか。まだ使えますよ
基本的にお客様というのは、売込みに対して拒絶します。その意味で、恋愛のテクニックの“押してダメなら引いてみろ”は営業でも効果的です。売らないようにすることで逆に売れるということもあります。天邪鬼のお客様にはとくに効果的な方法です。
お客様の多くは、営業パーソンに対して天邪鬼になるものです。たとえば、営業パーソンから「そろそろ取り替えどきですから」と言われれば、「いや、まだまだ使えますよ」と返す。逆に「もったいないじゃないですか、まだ使えますよ」と言うと、「いやぁ、きれいに見えますが、中身は限界でしてね」と本音を話したくなるものなのです。
これは、私が一営業だったときにもよく体験しました。家は建て替えの見極めどきが難しく、“建て替えるか? それともリフォームにするか?”と迷うお客様も少なくありません。とくに築20〜25年の家に住んでいるお客様は、たいてい迷います。