顧客の心を掴むには、なにをすればいいのか。営業術コンサルタントの上實貴一さんは「手土産は顧客との絶好の印象づくり・話題づくりの絶好のチャンスだ。私はあえて役に立たない物や、他の人とは違う物を贈っている」という――。

※本稿は、上實貴一『ず〜っとつながる紹介営業』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

プレゼントを持ったビジネスマン
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コミュニケーションがうまい人が習得している2つのコツ

共通点をつくるための事前準備には、大きく2つコツがあります。まずは情報の聞き出し方です。

大分類から中分類へ、そこからさらに小分類へとバランスよく相手の情報を聞き出す練習をしておきましょう。

もう1つのコツは、聞き出した相手に関する情報を、自分の情報と結びつけて共通点にすることです。

話術がたくみな芸人さんなどは、意識的なのか無意識的なのか、流れるようにこの2つのコツを実践しますが、コミュニケーションが苦手な人が実践するには慣れが必要です。必ず事前に練習しておきましょう。

逆に言えばある程度、事前準備ができていれば、話術がイマイチな人でも必要十分な共通点づくりはできます。

具体的には、まず自分自身にまつわる情報や特徴についても、大分類・中分類・小分類のそれぞれで整理し、自己認識しておくことです。

頭のなかだけで行わず、ノートなどに書き出して整理することをお勧めします。

相手との共通点を見つける方法

自分のことはよくわかっているつもりですが、実は3つの分類のうちの小分類でしか認識していないことがよくあります。

たとえば「要町駅の近くに住んでいる」「趣味は3on3のバスケットボール」「好きな食べ物は鳥の甘酢あん」だとして、これらはすべて3つの分類のなかでは「小分類」に該当します。これでは、なかなか同じ駅や趣味、食べ物が相手と被ることはありません。

そこで、「中分類」にまで視点を引き上げることができれば、「池袋エリアに在住」「趣味は球技・チームスポーツ」「好きな食べ物は酢と醤油を使った料理」などとなり、相手と自分で共通する要素を引き当てる確率が上がります。

さらに「大分類」にまで視点を上げれば、「東京に住んでいる」「身体を動かすことが好き」「鶏肉が好き」と、もはや共通点が何も出てこないほうが難しいレベルにまで範囲を広げられます。

会話のなかでとっさに共通点を見つけるのが苦手な人は、このような形で自分の特徴をあらかじめ大分類・中分類・小分類に分けて整理しておくことで、相手との共通点をすぐに見極められるようになります。