上位1割の営業マンは、下位1割に比べて4.1倍粘っている。これが2000人調査で明らかになった事実だ。しかも、粘れるかどうかが営業マンの成績格差にもつながっているという。

断られても2年は粘る

営業担当者にとって厳しい市場環境が続いている。顧客の財布のひもは固く、積極果敢にアプローチしても、あっさり跳ね返されるケースがほとんどだろう。

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成熟市場で通用する営業スタイルとは?/トップセールスは約4倍も粘り強い

このとき早々にあきらめて他の顧客を訪問すべきか、それとも断られても粘り強くアプローチを続けるべきか。あなたはどちらを選ぶだろうか。

効率性を考えると、見込みの薄い顧客にはさっさと見切りをつけて、他の顧客に時間や労力を注ぎ込んだほうがいいように思える。しかし、成熟市場においてその選択は不正解だ。

私たちは毎年、300社の営業担当者上位10%と下位10%、各1000人を対象にアンケート調査を実施している。その中で「ファーストアプローチ後に受注できなかったお客様に対して、どのくらいの期間、アプローチを続けますか」という質問を投げかけたところ、上位と下位で明確な違いが表れた。

売れない営業担当者の平均アプローチ期間は6カ月だったが、トップセールスは平均25カ月。売れない営業担当者が半年で見切りをつけるのに対し、トップセールスは4.1倍も長くアプローチを続けていたのだ。

日本の国内市場が成熟期に突入して久しいが、成長が期待できない市場環境下においても、トップセールスはアプローチを継続することで着実に成果を残している。効率最優先の営業スタイルでは、厳しい時代を生き抜いていけない。いま求められているのは、顧客に粘り強くアプローチし続ける“あきらめない営業”なのである。