履き慣れた靴の「底」を見てみると…

フィジカルトレーナーとしてクライアントの指導をする際には、その人の「靴底」が参考になります。靴底の減り方を見れば、ふだんどこに体重を乗せて歩いているのかがわかり、体の使い方のクセが見えてくるからです。

靴底と同様に、足の裏を見てみると、マメができている位置や皮膚の厚みから、やはり体重の乗せ方がわかります。

中野ジェームズ修一『すごい股関節 柔らかさ・なめらかさ・動かしやすさをつくる』(日経BP)

歩いているときの体重の乗せ方は、そのままふだんの姿勢に反映されます。ここでは、代表的な4タイプの靴底の減り方と、その典型的な姿勢を紹介しましょう。靴底なんてまじまじと見たことがないという人は、履き慣れた靴の裏を見てみてください。自分の歩き方や姿勢と向き合うきっかけになります。

私は街中でジョギングをしている人や歩いている人を眺めては、つい「この人は前側に体重が乗りがちだから、多分、足裏はこうなっているんだろうなぁ」と分析してしまいます。

足裏にはその人の体の使い方や生活習慣が現れます。それだけにトレーナーとしては非常に興味深いのです。逆に、足裏や靴底を見ずにその人の体の使い方を評価するほうが遠回りだと思います。

股関節が外側に引っ張られているO脚

姿勢は、ふだんの体の使い方が反映されたものであり、股関節にも影響を及ぼします。

靴底の外側がすり減っている人の典型的な姿勢は「O脚」です。大腿骨が外側に開いた状態で骨盤の寛骨臼にはまっているため、股関節は外側に引っ張られている状態です。膝から下はそれを補正するように内側に倒れていくため、脚の外側に重心がかかり、靴の外側がすり減っているのです。

靴の外側がすり減る人はO脚[出所=『すごい股関節 柔らかさ・なめらかさ・動かしやすさをつくる』(日経BP)]