複数の入試形式を組み合わせて合格を勝ち取る

概念だけだとわかりにくいので、少し具体例を見てみましょう。第一に、志望する大学の指定校枠がみなさんの高校にあれば、高い評定平均を目指し指定校型を目指すのです。

そこで不合格となってしまった場合には、2番目の戦略である総合型や公募型をねらいます。もともと指定校型で高い評定平均をねらっているはずですから、評定平均が条件となっている大学を探します。こうすることで、評定平均の高さを推薦入試の中で何度も活かすことができます。

残念ながら推薦で合格をもらうことができなかった場合、最後に一般入試に回ることになりますが、このように複数の入試形式を組み合わせて受験戦略を組むことで、どこかで確実に合格を勝ち取る。それが3層戦略です。

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3層戦略には準備が必要

この3層戦略には注意すべきことがあります。それは、準備が必要だということです。複数の形式を使用する戦略ですから、当たり前かもしれません。

最優先である指定校型、またはそのリスクヘッジである総合型・公募型で必要となる評定平均は、早いタイミングから対策をしていくことになります。

学校の定期テスト対策は欠かすことができません。

小林尚・橋本尚記『提出書類・小論文・面接がこの1冊でぜんぶわかる ゼロから知りたい 総合型選抜・学校推薦型選抜』(かんき出版)

さらに、総合型・公募型では英検を持っていないと出願が難しい(または不利になる)ため、そして一般入試に回る場合も英検は有利になるため、英検対策も第二の優先ポイントといえます。そして一般入試に回る可能性も考えて、一般的な受験勉強も進めておく必要があります。

もちろんすべてを完璧にやろうとすればオーバーワークになってしまいますから、優先度を決めて効果的に取り組んでいけば問題ありません。ただ、推薦入試が終わってから一般入試の勉強を始めたり、高校3年生になってから英検対策をしていたりするようでは、手遅れになってしまうのです。

リスクを回避する分、戦略的に受験対策をおこなう。すなわち、戦略にもとづきながら無駄な時間を減らして、早い時期からコツコツと対策を始める。これが3層戦略の本質です。

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