指定校型と公募型を併用する

リスクのある入試に対して、そのリスクを放置したまま受験するのは得策ではありません。できればこのリスクをおさえてから、受験に臨みたいと思うはずです。

そこで考えていただきたいのが、さまざまな形式を併用することです。

たとえば、指定校型と公募型を併用する方法があります。指定校型は試験の時期が早いですから、まずは指定校型に出願して、万が一落ちてしまった場合に公募型に出願することで、両方の形式を受験することができます。また、推薦入試に落ちた場合、一般入試に回るというのも、1つの案として考えられます。

このようにして、いろいろな入試形式を併用することで、専願が多い推薦入試のリスクをおさえることができます。これは推薦入試を受ける上でとても大切な考え方です。具体的にどう組み合わせていくかについて、次の項でさらにくわしく説明していきます。

リスクヘッジで「全落ち」を防ぐ

ここまで推薦入試における併願の重要性をお伝えしてきました。大切なのは「リスクを恐れる」ことではなく「リスクを回避する」という考え方です。リスクを回避したりダメージを最小限にしたりする準備のことを「リスクヘッジ」と呼びます。

「何をするための戦略なのか」その目的をみなさんとも共有したいので、次のクイズに答えた上で読み進めてください。

Q.推薦入試では併願が重要とお伝えしてきましたが、そもそもリスクヘッジをするのは、何のためでしょうか?
①どこにも受からない「全落ち」を防ぐため
②絶対に第一志望に合格するため
③3年間の評定平均を上げるため

推薦入試のリスクヘッジで一番欠かせないことは、受験校すべてに落ちてしまう「全落ち」を防ぐことです。ですから、先ほどのクイズは①が正解でした。もちろん浪人を否定しているわけではありません。しかし受験生は大学に合格するために勉強・対策をしているので、浪人を避けたいと考えるのは自然なことです。

そこで高校生のみなさんにオススメしたいのが、リスクヘッジ型受験戦略である「3層戦略」です。図表2を見ながら読んでください。

3層戦略では受験を次の3つの階層に分けてとらえます。

①学校推薦型選抜(指定校型)
②総合型選抜・学校推薦型選抜(公募型)
③一般入試

この3層を基本とし合格可能性を高める、あるいは不合格となる可能性をなるべく少なくする戦略です。