※本稿は、小林尚・橋本尚記『提出書類・小論文・面接がこの1冊でぜんぶわかる ゼロから知りたい 総合型選抜・学校推薦型選抜』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
同じ学部でも複数の入試形式があることも
自分の受けたい大学や学部が決まったら、次はその大学や学部にどう合格するかを考えなければなりません。
似たことを学べる学部や、一般的に難易度が同じくらいの学部でも、入試形式がいくつかあるので、どの入試形式を選ぶのかを決めるステップがあります。
たとえば、法学部であれば中央大学では総合型の入試が複数あります。みなさんが通っている高校によっては指定校の枠もあるかもしれません。さらに立教大学にも目を向けてみると、内容は少し違いますが総合型で受けられる試験があります。
あくまで一部の大学を紹介しましたが、やりたいことや将来の目標が決まったとしても、まだこれだけの選択肢があるのです。まずは目を通すだけでも大丈夫ですので、表(図表1)を見て、いろいろなパターンがあることを知っておきましょう。
このように、1つの学部であってもいくつかの入試形式でおこなわれていることが多くあります。ですから、どのような入試形式が自分に合っていそうか、考えてみましょう。
「専願」タイプか「併願可能」タイプか
入試形式を調べるとき、1つ注意して見てほしい部分があります。それは、その入試が「専願」か「併願可能」かどうかです。
「専願」とは、その大学に合格したらかならず入学することを約束する形式です。たとえば明治大学農学部の総合型選抜でも、「この大学を専願し、合格の場合入学を確約できること」が出願の条件になっています。大学によって表現の仕方はほかにもありますが、入試形式が専願の場合はたいていこのようなことが書いてあります。
そして総合・推薦入試(本記事では、以降まとめて推薦入試と呼びます)では、この「専願」タイプがほとんどなのです。専願の入試は、合格したらその大学に入学しなければなりませんから、1つしか受験できません。つまり推薦入試を受ける人は、受験校が少なくなってしまうのです。
もちろん、他の大学と併願できる推薦入試もあります。たとえば、大東文化大学の総合型選抜では併願が可能な形式があります(専願の形式もあります)。
ですから、専願タイプと併願可能タイプを組み合わせて、いくつかの推薦入試を受けることはできるのです。
しかし、併願可能タイプは数が少なく、人気も集まります。一般入試の併願校であれば日程がかぶらなければ4つでも5つでも受験できますが、推薦入試はそうはいかないのです。その点で、推薦入試はリスクもあるのです。