“間”を使って相手が冷静になるまで待つ

例えばクレームの電話を受ける場合であれば、相手がどれほど大変だったかを聞きつつ、自分たちの落ち度の有無にかかわらず「それは大変でしたね……申し訳ございませんでした」と謝る。これで落ち着く人もいると思います。

ただ、謝ったことで「どう落とし前をつける?」みたいに具体的な対応を求めてくることもあります。その際には、「私では判断しかねるので、上長に確認を取り次第ご連絡を差し上げますので、何時ごろがご都合よろしいでしょうか?」と丁寧に連絡先を聞いて電話を切るのが正解です。

その際にはなるべく会話のテンポをゆっくりにするといいです。逆にキレられそうな気もしますが、人間は相手の話すペースに巻き込まれてしまう習性があります。怒っている人は早口になりがちなので、「なるほど……さようでございますか」と“間”を置くと、相手が冷静になるタイミングが増えます。

そうやって相手の怒りが収まり、冷静になってから話さないと、ヒートアップしてよけい大事になって面倒なことになったりしますよ……。

「炎上の火元」を直接消しに行くのはNG

【炎上トラブルをうまく解決したい】

・ダメな言い方
投稿を消去してくれませんか?
そのほうがお互いのためです

・うまい言い方
こちらはお詫びの品です。消去の判断はお任せします

今ではSNSに商品への不満やクレームをアップする人も大勢います。企業からすればネガティブ情報を放置してはさらなる非難を招きかねないので、なんとか穏便に火消しを試みたいものですよね。

そこで写真をアップした人に連絡をするわけですが、その際の対応次第では余計に醜聞が広まることもあります。特に「アップした情報を削除してほしい」と依頼するのは注意が必要です。

数年前にも某カップ焼きそばの商品にゴキブリが混入していた写真が出回り、メーカーの担当者が謝罪に赴き、「お互いのため」と投稿を削除させて品代を返金した話がありました。その結果、メーカーはさらに炎上してしまったのですね。これはまさに悪手。SNSは承認欲求を満たすツールでもあるので、「商品代をもらうくらいならネット上でネタにしていっときの有名人気分を味わいたい」と思う人もいるのです。

写真=iStock.com/tadamichi
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