結局は「相手の立場」になって考えられるかどうか
例えば「機会を与える」という方法です。仮にバッシングを受けている著名人がいて、あることないこと含めて噂が広がっている状況だとしたら、「誤解も多いと思うので真実を伝えましょう」と反論する場だと捉えてもらうようにする。これなら相手にもメリットが生まれますよね。
ほかにも相手がめちゃくちゃ忙しい人なら、手間をかけさせないよう「チェックは最低限にします」と伝えるとか、「面倒な事前準備はこちらで終わらせておきます」など、ほぼ何もしなくていい条件を提示したりすることも相手のメリットになります。要は何でもいいので自分が持つ“手札”を使い、相手のメリットをつくり出せればいいのです。
実際にテレビ出演は文化人だとギャラが低いのですが、テレビに出ることで知名度が上がって他の分野で稼げるようになったりします。それと同じで、「安い仕事だけど、ほかで稼げる」というメリットをつくるわけです。こういう誰も損をしない状況は「ウィン・ウィンの関係」とか言われたりしていますが、それが考えられると仕事ができるといわれたりします。ただ、結局は相手の立場になって考えることができるかってことなのかもですが……。
「スケールの大きな話」はどうすれば伝わるか
【スケールの大きな話をうまく伝えたい】
・ダメな言い方
ムダな経費が4億円もかかっています
・うまい言い方
あなたが100年働き続けてようやく稼げる額がムダになっています
多くの人にとって馴染みのない「途方もなく大きな話」というのは、漠然とは理解できるものの肌感覚では理解しにくいものです。
わかりやすいところだと、大きな数字の話。例えば東京都庁のプロジェクションマッピングで「7億円が使われている」という話がありました。もちろん、「7億円という数字がとても大きなお金である」ことは誰もが理解できるし、それが税金で賄われるのは無駄遣いかもしれないと理解ができます。しかし、7億円と言われても「その税金の無駄遣いを抑えたら、自分にどんなメリットがあるのか?」は理解しにくいですよね。
だから一時的に批判の声があがっても、結局は何事もなかったかのように実施され、今では話題にすらならなくなりました。このような“スケールの大きな話”を深く理解してもらうには、相手が肌感覚で理解できる直接的な言葉に置き換えることです。