子どもの状況を把握しよう

不登校は年間30日以上登校できない状態と、文部科学省が定義しています。

一方、ひきこもりは外出しない状態(前稿で説明したとおり)が6カ月以上続いている状態と内閣府が定義しています。

ただ、私は、1カ月でも親とまったくコミュニケーションがとれていない場合は、ひきこもりだと考えています。

そして、ひきこもりの重症度を図表1のように分類しています。

ステージ③からは親だけでの解決は難しくなる。出典=『もう悩まない!不登校・ひきこもりの9割は解決できる』(実務教育出版)より

ステージ①のように、学校に行っていなくても、親と一緒にご飯を食べたり、会話がたくさんあって、生活習慣が乱れていない場合は、それほど心配する必要はありません。1カ月以内ならば自然に学校に戻っていく場合も多くあります。

不登校状態が6カ月以上だとひきこもりという内閣府の定義は、ステージ③に該当しますが、私は1カ月でも親子間のコミュニケーションがまったくとれない状態で、自室にこもっている場合はステージ③になると考えています。

親と会話があるかどうか、というのが一番の大きなチェックポイントです。

学校に行かなくても、親と会話ができて、自分の好きな習いごとやフリースクールなどに通えている場合なら、いずれちゃんとやっていけるようになります。

ただ、親との会話がなくて、ひきこもりが進行すると、お風呂に入らなくなり、髪の毛やひげが伸びっぱなしになります。自室のカーテンを昼間でも閉め切っているのも特徴です。こうなるとステージ④です。自然に学校に戻るのは困難です。

不登校の初期に絶対やってはいけないこと

不登校になったばかりのころは、たいていの親は無理やり学校に行かせようとします。

そうすると、子どもから暴力を受けるケースが多いです。親に暴力をふるうまでいかなくても、物に当たったり、壁に穴を開けたりします。

それがきっかけとなり、親とコミュニケーションをとろうとしなくなります。自室にひきこもってしまうきっかけにもなります。

ですから、学校に力ずくで行かせようとするのはやめましょう。

首尾よく行かせられたとしても、翌日にはまた行かなくなってしまいます。結局、問題の解決にはなりません。