お守りをカバンの外側にぶら下げてはいけない

神札やお守り、破魔矢など、神社で参拝客に与えられるものを「授与品」と総称します。授与品には御祭神の霊威が宿るものと、それ以外のものの2種類に分けられます。

霊威が宿るものには、お札、お守り、お姿(御影)などがあります。これらは神様の分身として、神様の嫌う穢れを避け、丁重に扱います。原則として神棚に置くのが望ましいですが、神棚がない場合は目線よりも高い清浄な場所に、白い紙を敷いてお祀りしたいものです。

お守りはきれいな袋が目立ちますが、大事なのは中に入っている小さなお札のほうです。携帯できるよう小さくつくられており、本来はなるべく体の近いところにつけるものです。地面に落として汚したりしないよう、カバンの内側などに入れるとよいでしょう。カバンの外側につけるのは、穢れを避ける意味では望ましくありません。

霊威が宿らないものとしては、破魔矢や絵馬、御朱印やおみくじなど、いわゆる「縁起物」と呼ばれるものがあげられます。

破魔矢は、高い場所に置くか、魔が入らないように玄関や鬼門に先端を向けて置くのがよいとされています。神棚がある場合はそこに置いてもいいと思います。酉の市の熊手なども、同様に御札に準じる扱いをします。

御朱印だけをもらいにいくのは神様に失礼

それ以外の縁起物、たとえば絵馬や土鈴などは、神棚に祀る必要はありません。それでもやはり丁寧に扱いたいものです。引き出しに入れっぱなしといった状態は好ましくありません。おみくじは神様のお告げなので、吉が出ても凶が出ても、本来は持って帰るべきものです。もしどうしても持ち帰るのがいやな場合や、縁結びの願掛けにしたい場合は、神社の所定の場所に結んで帰りましょう。

御朱印は、神社にお参りした証しとして、御朱印帳に捺してもらう印のことです。参拝の証しですから、本来はまずご本殿にお参りし、その後に社務所で御朱印をお願いするのが正しいマナーです。御朱印は書くのに時間がかかるので、参拝者の多い大きな神社では、先に御朱印帳を社務所に預けるよう指示されるところもあります。しかし、お参りをせずに御朱印だけをもらいにいくのは神様に失礼です。

授与品は、神様との繋がりを感じさせてくれる大切なものです。それぞれの品に込められた意味を理解し、丁寧に扱うようにしましょう。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年10月4日号)の一部を再編集したものです。

(構成=川口昌人)
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