学校に行かなくても勉強も生活もできる

ホームスクーリングの方法は様々ですが、自宅で親が先生となる場合もあれば、インターネットを使って授業を受けたり、単に主要な教科の勉強という範疇だけでなく、子どもの自主性や興味・関心に沿って学校では学べないようなテーマを深く学ぶスタイルもあります。

私よりひと回り上のその子も、学校に通わずにホームスクーリングをしていました。

当時、家族ぐるみで付き合いがあったので、幼かった私もホームスクーリングというスタイルを何となく知っていたわけです。私の決断にどれくらい影響したのかは、わかりませんが少なくとも、彼の存在によって、

「学校に行かなくても勉強も生活もできる」

という感覚が、私の中にあったことはたしかです。

息子の意思を尊重した両親の決断

息子が学校に行かないという選択をしたことに対して、両親は少し心配はあったのかもしれませんが、大反対することも叱りつけることもなく、私の意思を尊重してくれました。

内田拓海『不登校クエスト』(飛鳥新社)

私の父や母が、ホームスクーリングなどの先進的な教育に特別理解があったわけではないと思います。逆に教育にまったく無関心の放任主義だったというわけでもありません。ただ、父は幼い頃に両親が離婚した関係で、一時的に学校に通えない時期があったそうです。

だから、学校に行かないということに少しは考えがあったかもしれません。母は、もちろん小学校に通っていましたし、ごくごく普通に義務教育を受けてきましたが、「子どもの意思を尊重しましょう」という考えを持っていました。

もしも両親のこの決断が違うものだったら、私はまったく違った人生を送っていたのだろうと思います。

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