「一人のみ」はできるだけ避けたほうがいい

【和田】私は最近、お酒の飲み方について、一人飲みはやめましょうと言っています。一人飲みをしていると、どんどん量が増えてきますし、うつっぽくなったり、アルコール依存症になりやすい。できるだけ、一人飲みは避けて、誰か飲む相手がいるといい。夫婦ならご主人と晩酌でもいい。もうひとつはお酒を飲む目的を酔うことにしない。楽しむために飲むことを心がけましょう、ということですね。

だから友人や仲間とコミュニケーションを深めるために飲む。愚痴をこぼしたりでもいいけれども、とにかく誰かと楽しむことを目的にしてお酒と付き合うほうがいい。一人飲みの典型ですけれども、酔い潰れて我を忘れたり、いやな世の中からの逃避目的で飲んだりしていると、量も増えるし、メンタルヘルス的にもよろしくない。

【中尾】精神的にもそうですけれども、肉体的にもそうですよ。そういうめちゃくちゃな飲み方をする人は、早死にする人が多いですよね。昔の大御所の方々はみんな酒豪でしたから、亡くなるのも早かったような気がします。

中尾ミエ、和田秀樹『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』(宝島社)

【和田】そうですね。そうやってお酒で自分の身体をいじめることが格好いい、みたいな変な風潮がありましたから。

【中尾】最近は若い人でもあえてお酒を飲まないという人もいるでしょう。

【和田】飲まなければ飲まないで、やはりコミュニケーションが取りづらくなりますね。こちらは飲んでいても、向こうが飲んでいないとしゃべりづらい。多少アルコールが入れば、馬鹿になりますから、一種の潤滑剤になる。

【中尾】楽しくお酒を飲んで、大はしゃぎした次の日は、そんなに残らないものですよね。ちゃんと発散していますから。

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