通販番組は窓際⁉

ただし通販番組はゴールデンタイム(夜7~10時)など、視聴率の高い時間帯には放送していません。

たいがい早朝、お昼前、昼下がりから夕方、そして深夜です。基本的にテレビを見ている人が少ない時間帯のため、テレビ局でも花形のプロデューサーなどは担当していません。いわば窓際のような存在です。

どんな局がどの程度放送しているかを見ても位置づけがわかります。

東京キー5局の通販番組は、放送全体の1.6%しかありません。しかも編成表を見ると、テレビ東京では平日の午前と午後に通販枠が見つかりますが、視聴率の高い局では簡単には見つけられません。

ところが、キー局だけでなく「地上波全体」で調べると、8.5%に高まります。これは東阪名など大都市のテレビ局では通販番組が少ないものの、地方に行くほど多くなることを示しています。つまり人口が少ない地域のテレビ局ほど広告収入が少なくなり、放送枠を売り渡す通販が着実に売り上げと利益を確保できる道となっています。

これがBS5局(キー局系)や独立局だともっと高くなります。やはり自局で番組制作をするより、放送枠を売り渡したほうがビジネスとして有効と考える状況にあるからです。

地方やマイナー局では目立っても、放送全体としては窓際的存在。そんな位置づけが、これまで通販番組の進化を阻んできました。ネット通販のECはユーザーの傾向分析が容易で、次の購入に向けたレコメンドも簡単で10年で2倍の売上増を果たしましたが、テレビ通販はそうした工夫がなく、結果として売り上げも微増にとどまってきました。

しかし、3年前に新技術が登場したのを契機に、通販事業者や枠の取引にかかわる代理店は変わり始めました。ただし、窓際的位置づけのまま放置したテレビ局は旧態依然たる状況で、テレビ局によって差がつき始めました。

変化を起こしたのはPTP社の「ordr」です。