高市氏は国際社会から受け入れられない可能性

高市は、総務大臣、経済安保担当大臣、党政務会長などを歴任し、経験豊富な政策通である。

今回の総裁選出馬に際しては、経済を豊かにして、国力を増強することを主張している。

彼女は保守派の代表格であり、安倍晋三元首相の遺志を継ぐと自負し、首相になっても、靖国参拝を続けるという。また、選択的夫婦別姓については、導入にさほど熱意がない模様だ。

彼女がテレビキャスターをしていた頃に、よく一緒にテレビに出ていた記憶がある。

元気な女性だが、首相になった場合、その保守性が国際社会で受け入れられるかどうかが心配だ。

優秀だが選挙に弱い上川氏

上川陽子も何とか推薦人20人を確保し、女性初の宰相を目指すと意気込んで出馬している。安倍内閣、福田内閣において上川と私は同僚大臣であった。とくに私は厚労大臣だったので、少子化対策を担当する上川とはよく一緒に仕事をした。

彼女は、政治家としてのキャリア初期においては選挙に弱かった。彼女の選挙区である静岡に何度も応援に入ったことをよく覚えている。

東大出身で、ハーバード大学修士という抜群に優秀な女性だが、党内をまとめ、首相として国の舵取りを任せられるかは未知数だ。私は、少し荷が重すぎるのではないかと思っている。

どの候補者もパッとしない「不毛な選挙」

以上述べてきたように、いずれの候補も一長一短であり、「この候補者が総理になれば心が躍る」という感じの人物はいない。政治資金問題で地に落ちた自民党の支持率を上げるためのショー、エンターテインメントとしての選挙が行われている印象がある。

たくさんの候補者が立候補したが、本気で総理の重責を担う意欲と責任感を持っている人物ははたしてどのくらいいるのか。オリンピックではあるまいし、「参加することに意義がある」になっていたら問題だ。

一方、もっとひどいのが同時に進行している立憲民主党の代表選挙で、野党であることも手伝い、まったく世間の関心を集めていない。

日本の政界の人材不足には目を覆いたくなる。だが、それもポピュリズム政治が当たり前となった代償なのかもしれない。

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