高校でのいじめ

体調不良が続き、第一志望の高校が不合格となってしまった奈々さんは、幼稚園、小学校、中学校と同じ系列の私立の高校に入学。

ところが入学早々、波乱の高校生活が始まった。

中3の時に奈々さんは、同じクラスの好きな男子に告白。すると男子からは、「鏡見たことある?」「その見た目で俺に告白とかウケる」と嘲笑された。そしてあろうことかその男子と、またもや同じクラスになってしまったのだ。

ひどい言葉で振られ、ショックを受けた奈々さんだったが、それでも好きな気持ちは簡単には消えず、ことあるごとにその男子を目で追ってしまう。その男子はそうした奈々さんの行動に気づいていたらしく、次第に仲間たちと共に、奈々さんをからかい始める。それはだんだんエスカレートし、奈々さんが登校すると机の上にゴミが置かれていたり、奈々さんの机だけ遠くの方にずらされているなどの嫌がらせをされるようになり、奈々さんの精神は少しずつ削られていった。

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やがて奈々さんは、登校しても自分のクラスに行くことができず、保健室に行くのがやっとになってしまう。

「母は、私が不登校になることは許してくれなかったので、1年の2学期まではなんとか通いました。その間、母は転校先を必死で探し、同じ系列の全寮制の高校に編入することが決まりました。母は、私の学歴が中卒になってしまうことをとても恐れているように見えました。この点については、母に助けられたと思います。父は、私の体調が悪いことに対して、ただオロオロするだけでした」

だが、編入した全寮制の高校でも、奈々さんはいじめに遭った。その高校は、裕福な家庭の子どもが通うことで有名な高校だった。

「ある優しい先輩から、『あなたはいじめを受けている。かわいそうで見ていられない』と言われましたが、当時の私は自分がいじめに遭っているのかどうなのかわからないほど弱っていました……」

奈々さんは高2の夏休み中、精神科に入院した。