復習する際は、Aのノートの部分を隠して、Bの質問やキーワードからアクティブリコールできるか試します。このようなアクティブリコールができるノートのほうが、普通に読んで復習するだけのノートよりも効果的です。

安川康介『科学的根拠に基づく最高の勉強法』(KADOKAWA)

――安川さんご自身の経験も踏まえて、スキマ時間を効果的な学習時間に変える方法を教えてください。

スキマ時間は素晴らしい勉強時間だと考えています。例えば、通勤時間や通学時間といった隙間時間も、勉強に最適です。私も学生の時は、電車の中で勉強や読書することが習慣化されていて、1人で電車に乗ることが勉強開始の合図になっていました。

たとえ満員電車で本が開けないような状況でも、昨日覚えたことを頭の中で思い出す(アクティブリコール)という効果的な勉強ができます。思い出せなかったところは、電車を降りたあとに確認し、フィードバックします。

勉強の効果は、本人には実感しにくい

アメリカの医師国家試験の勉強をした時は、トイレに薬理学のフラッシュカードなど、短時間でも進められる教材を常に置いていました。現在でも、子どもの習い事の待ち時間などのスキマ時間をできる限り勉強や仕事に活用しています。

筆者の安川康介さん(撮影=プレジデントオンライン編集部)

――最後に、読者へのアドバイスをお願いします。効果的な勉強法を始めたものの、すぐに効果が感じられずに挫折してしまう人も多いと思います。長期的に見て成果を出すために、どのような心構えや工夫が必要でしょうか。

はい、重要なポイントがあります。それは、「勉強の本当の効果は、勉強している時、本人には実感しにくいことがある」ということです。

例えば、アクティブリコールを行った学生は、勉強直後は他の方法で勉強した学生よりも自信がなかったという研究結果があります。しかし、実際のテストでは最も高い点数を取っていたのです。ですので、科学的に効果的な勉強法を地道に続けることが重要になるのです。

(取材・構成=昼間たかし)
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