周囲の人間に大きな影響と価値を与える

桁外れに生産的で、質の高いアウトプットを大量に生み出せる

彼らは、いかなる分野でも、重要で質の高いアウトプットを他の人より多く生み出す。ハイパフォーマーは単にたくさんのことをこなすのではなく、その関心分野で重要性の高いことを多く成し遂げるのだ。

彼らは、常に重要なことのみを重要視することが重要だと意識している。そのフォーカスと、意味のあるアウトプットだけを生み出そうとする努力が、彼らの卓越性を高めている。

適応力のあるサーバントリーダー(※5)である

私の研究が、流行りの世界のトップエキスパート研究と一線を画しているのは、孤高のエキスパートや並外れた人物を追い求めてはいない点だ。

ハイパフォーマーは、周囲の人間に大きな影響と価値を与える。多くの場合、困難な状況に適応し、部下も成功や貢献ができるよう導くことができるリーダーである。彼らは、そんなリーダーとして、複数のプロジェクトを渡り歩いても、繰り返し成功する。

たとえどんな状況、どんなチーム、どんな会社、どんな業界に放り込まれても、やってのける。それは、他者にもポジティブな影響を与えて引き上げる能力があってこそだ。単なる天才や一匹狼には無理だろう。ハイパフォーマーは、スキルを育てるだけでなく、人をも育てる。

「無敵の必殺仕事人」では決してない

こうして特徴を列挙すると、ハイパフォーマーはまるで無敵の必殺仕事人のように聞こえるかもしれない。だが、それはまったく違う。これらは、ハイパフォーマーの一般的特徴を概略的に述べただけで、当然、個人差や多様性が入る余地はいくらでもある。

ブレンドン・バーチャード『世界3万人のハイパフォーマー分析でわかった 成功し続ける人の6つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

10人が10人とも上記に当てはまるわけではない。それでも、本書で紹介する習慣を実践していれば、ここに挙げた利点を自分のものにし、並外れた人生を送れる可能性がだんだん高まってくる。

上記の特徴が、まだ一つも自分に当てはまらなくても、心配は無用だ。ハイパフォーマーとてその資質を持って生まれたわけではない。私が100万人以上にトレーニングを行ってきた経験から言えるのは、ハイパフォーマーに超人は存在しないということだ。

そのパフォーマンスは、生まれつきの長所ではなく、ある行動を続けた結果。それらを習慣として身につければ、ほぼどのような活動分野でもハイパフォーマンスに到達できる。その結果は、測定可能かつ証明可能なのだ。

※1 レジリエンス……困難から立ち直る力。
※2 GPA……Grade Point Averageの略。高校・大学の各履修科目の5段階評価を数値に換算した評定平均値。
※3 アサーティブネス……高姿勢や攻撃的にならずに言うべきことをはっきり言う態度。
※4 インクルーシブ……多様性を認め合うこと。
※5 サーバントリーダー……部下を支配するのではなく、明確な指示を与えたうえで、部下が仕事をしやすいよう環境を整え支えるリーダー。

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