パーパスをもって仕事に取り組んでいるか

より高い学業成績や、より高いポジションでの成功を収める

ハイパフォーマンスはGPA(※2)と統計的に相関している。大学スポーツ選手200人を対象に私たちが行った調査では、パフォーマンスの潜在能力を測定する評価ツールであるハイパフォーマンス指標のスコアが高いほど、GPAも高いことが判明した。

また、ハイパフォーマーは、企業のCEOや経営幹部になる確率も高い。成功し続ける習慣が、リーダーシップの発揮や組織内での昇進に役立つからだ。

従来的な報酬に関係なく情熱的に仕事をする

パフォーマンスの高さは、報酬とは相関しない。つまり、給与の額いかんでハイレベルな成果が出る確率や能力が変わることはない。ハイパフォーマーたちが懸命に働くのは、お金のためではなく、必要性と呼ばれるもののためである。

勲章的なものや賞賛やボーナスのためでもなく、やりがいのためだけにがんばっている。そのため、彼らはアンケート調査でも、必ずと言っていいほど、収入レベルに関係なく、やりがいを感じていると答えている。

オフィス街に立つ自信を持った表情のビジネスウーマン
写真=iStock.com/kyonntra
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そして「仕事が割に合わない」「働きぶりが評価されない」と感じることはめったにない。それは、彼ら自身が、パーパスをもって仕事に取り組んでいるからである。パーパスがあると、より高いエンゲージメントと自信と満足感を実感できるのだ。

「ここで必要とされている仕事は何か」と考えられるか

(正当に)アサーティブである

ハイパフォーマーが新しいことに臆せず飛び込んだり、はっきり意見を言ったりするのは、「勝つ」ためとか競うためではない。彼らのアサーティブネス(※3)は、新しい考えを共有したり、複雑な会話に入っていったり、本音や夢を語ったり、自分のために立ち上がったりする勇気を持つという習慣のひとつに起因する。

彼らはまた、他者のために主張したり、他者の考えを積極的に支持したりすることも普通の人より多いと、調査結果が示している。率直でインクルーシブ(※4)なリーダーにいつでもなれるのだ。

自分の強みを超えた視点で貢献をする

自分の生まれつきの「強み」に焦点を当てるべきだという神話がある。だが、自分探しの時代はもうとっくに終わった。成長・貢献ができ、リーダーシップをとれる人間になるためには、生まれつきの資質を超えて、自己を開発していく必要がある。

ハイパフォーマーはそれを心得ており、「自分の強みを探す」ことよりも「状況に応じた貢献」、すなわち、変えなければならないところを探り、それを変えられる人間に成長することを意識している。

「自分は何者か? 自分は何が得意なのか?」と問うよりも「ここで必要とされている仕事は何か? それを実現するには自分がどのように成長し、どのように他者を導けばいいのか?」と問う。

実際アンケートでも、ハイパフォーマーたちが、自分の強みを伸ばす努力を他の人以上にしているとは示されなかった。ハイパフォーマーの優位性は、個々の強みに起因するものではない。