「なる気はない」と言って総理になった男の姿

結果からいえば、菅政権は短命に終わった。

鈴木洋嗣『文藝春秋と政権構想』(講談社)

コロナの感染状況が一段落して国民が冷静さを取り戻すにつれて、菅への評価が変わり始めた。ある有力財界人のひとりも「菅さんは惜しかったよなあ、時期がよくなかった」としみじみ語っていた。メディアやYouTubeでは、「菅さんしか100万人ワクチン接種など出来なかった」「携帯料金を下げさせた豪腕ぶり」「改革への決断力が凄い」といった評価が語られる。

しかし、コロナ禍がなければ、常に「総理になる気はない」と明言していた菅が総理の座に座ることもなかったであろう。わたしが見つめてきた菅は、一貫してその政治姿勢を変えることはなかった。国民の見る目が変わっただけなのである。

政治とはほんとうに不思議なものだ。

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