9月29日の自民党総裁選で岸田文雄氏が総裁に選ばれ、このほど第100代内閣総理大臣に就任した。総裁選での驚きは、世論調査で常にトップを走っていた河野太郎氏が第1回投票の時点ですでに岸田氏に競り負けていたということだ。改革を掲げ期待感の高かった河野氏はなぜ負けたのか。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(10月5日配信)から抜粋記事をお届けします。

(略)

一般の有権者からの投票と、国会議員からの投票はどっちが重い?

総裁選前から投開票日までにおいて、世論調査では河野さんの支持は常に1位。同じように自民党員の支持も1位だったが、2位の岸田さんと3位の高市早苗さんの自民党員票を合わせると河野さんは党員票で15票下回る結果になった。

これが議院内閣制というものだ。

僕が務めた知事・市長という職は、有権者から直接票を集める。ゆえに候補者の中で1位になった者が単純に当選者となる。

ところが議院内閣制というものは議員から支持を受けることを柱とする。そうなると、河野さんが世論的に1位となっていたとしても、2位の岸田さんを3位の高市さんが支持することによって、高市さんへの世論支持も岸田さんを支持したとみなすことになる。

だから岸田さんは世論調査では常に2位なので、世論的に支持を受けていない、ということにはならないんだよね。これが議院内閣制というものの本質。

世論を形成する一般の有権者は、政治家のことを間近には知らない。僕が知事・市長を務めていたときも、有権者のうち99%は僕と直接喋ったこともない。テレビなどを通じて、遠くに僕の姿を感じているに過ぎない。その状況で投票するのが知事選挙、市長選挙というものなんだ。

一方、自民党総裁選、内閣総理大臣の首班指名となると、日ごろ候補者の様子を間近で見ている国会議員たちが投票することになる。遠くから候補者を眺める一般の有権者の感覚と、近くで候補者を日々見ている国会議員の感覚が異なることになるのは当然だ。

もちろん国会議員の感覚でいくと、いわゆる「永田町の論理」や、好き嫌いの感情論によって支持する、支持しないが決まる恐れがある。これが国会議員の感覚と国民感覚とが乖離する原因だとも言われている。

しかし他方、候補者を間近で見ている国会議員の方が候補者の適格性についてきちんと見ることができるとも言われている。

ここはどちらかが絶対的に正しいという話ではなく、どちらの方がよりましかというレベルの話だ。

日本では、自民党総裁や内閣総理大臣を選ぶときには、国会議員の選別能力の方が一般の有権者のそれよりもましだという前提に立っている。ゆえに河野さんを間近に見ている国会議員の中では、河野さんは支持されることはなかった。

そして、思ったよりも世間一般の有権者からも圧倒的な支持を得ることができなかったことも、国会議員の支持を得られなかった最大の要因の一つでもある。

(以下省略/全文はメールマガジンでお読みください)

(ここまでリード文を除き約1000字、メールマガジン全文は約8700字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》Vol.266(10月5日配信)から一部を抜粋したものです。気になった方は、メールマガジン購読をご検討ください。今号は《【岸田文雄新総裁誕生!(1)】世論調査1位の河野太郎候補は、どこで何を間違えたか――大阪都構想で失敗の経験をした僕にしか分からない本当の敗因》特集です。

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