日本の穀物備蓄は1.5~2カ月しかない

「農家いじめ」を続ける日本をよそに、世界は国内農業の保護を行っている。

中国は台湾有事をにらみ国内の食料備蓄を増やしているという。14億人の国民が約1年半食べられるだけの穀物を買い占めているというが、このせいで世界の穀物価格が下がらないという説もある。

一方、日本の穀物備蓄能力はかなり貧弱で、実は1.5~2カ月ほどしかない。

日本は中国と違って、国内で消費するコメは自給可能だ。いまは700万トンくらいしか作っていないが、日本の水田を全部利用すれば1400万トン以上のコメを生産できる。

「令和のコメ騒動」が起きているのだから、コメはもっと増産し、備蓄ももっと増やせばいい。

中国のように1年半とまでは言わなくとも、せめて1年くらいは食べていけるだけの備蓄をもつべきだ。

財務省が反対するからできない

そうできない理由は、「そんな金がどこにある」と財務省が反対するからだ。

ただ、日本政府にはお金がないわけではない。台湾有事への備えとして、トマホークミサイルをはじめ、防衛力増強のために今後43兆円も使うという。

写真=iStock.com/ImpaKPro
財務省が反対するからできない(※写真はイメージです)

しかし、兵器ばかりあっても、食料がなければ命は守れない。

防衛予算の一部でいいから、食料の備蓄に回すことが必要だ。「食料の確保」は安全保障の一丁目一番地である。

本来政府内でこういう議論をもっときちんとやらなくてはいけない。