そもそも日本人は必要な睡眠時間が足りていない
脳を育て、正常に働かせるために必要な睡眠時間は研究により発表されています。世界の小児科医から最も利用されている小児科医の教科書『ネルソン小児科学』によると、小学生の理想の睡眠時間は約10時間、18歳でも8時間15分です。一方、厚生労働省が行った調査によると、日本全国の小学生の平均睡眠時間は約8時間。
さらに、経済協力開発機構(OECD)が2021年に発表したデータでは、日本人の平均睡眠時間は7時間22分であり、全体平均である8時間28分より1時間以上も短く、加盟33カ国中、最も睡眠時間が短いことが報告されています。つまり、日本人は、大人も子どもも必要な睡眠時間に対し、1〜2時間も足りていないということになります。
とはいえ忙しい毎日の中で、理想の睡眠時間を確保することが難しい人も多いと思います。ですから小学生なら9時間以上、中高生なら8時間以上、大人はできれば7時間以上を目安に、睡眠時間を確保することをお勧めします。大人でも、睡眠時間が7時間を下回ると、脳は正常な機能を保てなくなります。ましてや発達途中の子どもの脳にとっては、睡眠時間の確保は他のことでは替えがきかないほど重要なものなのです。