早寝早起きさえ守れれば、ほかのことは手を抜いてもいい

特に幼少期は「からだの脳」を育てることを何よりも優先すべき時期です。毎日、太陽のリズムに合わせて規則正しい時間に寝起きすること。乳幼児期なら夜8時まで、小学生なら夜9時までには寝かせ、翌朝7時までに起こすことを目標にしましょう。

「そうは言っても、夕食後に後片づけをしてお風呂に入れていたら、あっという間に8時を過ぎてしまう」と思われた方は、すべてを完璧にこなそうとしているのかもしれません。私の脳育ての理論では、早寝早起きさえ守っていれば、「きちんとご飯を食べる」「毎日お風呂に入る」といったことは、多少手を抜いても構いません。

「寝る前に、毎日絵本の読み聞かせをしてあげたい」と思っていても、夜8時を過ぎたならその日は潔く諦めます。1日くらいお風呂に入らなくても死にはしませんし、毎日絵本を読めなくても気にする必要はありません。わが家では夜8時に寝ることを厳守していたので、就寝時刻から逆算して夕食をゆっくり食べている時間がない時には、納豆ご飯とお漬物だけで済ますこともありました。

ただし、毎日納豆ご飯では栄養が偏りますから、時間に余裕がある日に帳尻を合わせていました。夕食が簡素になってしまったら翌朝は野菜たっぷりのスープを用意する、お風呂に入らない日が続けば不衛生ですから、翌朝早起きして入らせる、時間がある週末に好きなだけ絵本を読んであげるなど、1日、1週間単位でバランスが取れていればよしとしましょう。

できれば親も一緒に夜8時に寝たほうがいい

そして、毎晩8時になったら消灯。親自身もパジャマを着て、「今日も早く寝られたね」「お布団、気持ちいいね」などと話しながら、親自身が寝ることを楽しむ姿を見せることで、睡眠の大切さを伝えましょう。

ベッドで一緒に寝ている幼児を抱きしめる母親
写真=iStock.com/geargodz
※写真はイメージです

8時就寝を目標に掲げると、子どもだけ早く寝かせようとする親御さんが多いのですが、そうすると子どもは「ママたちばっかり夜中まで起きていてズルい」と恨み節になります。それならばいっそのこと家族全員で8時に寝て、起きる時間を調節する方が合理的かつ健康的です。

そうして朝になったら子どもより先に起き、自分の好きなことや仕事をする。子どもが起きてくる前に自分だけの静寂の時間をもつことで心に余裕ができ、子どもが起きてきた時には心からの笑顔を見せることができます。