シャワーしか使わないから浴槽は多少汚れていてもいい。

トイレは直接座る便座はきれいにするけど、中はちょっと汚れても構わない。

こんな具合に「まあ、いいか」の範囲がちょっとずつできてきます。

写真=iStock.com/Ridofranz
※写真はイメージです

風呂でよく見るのは、黒カビの生えたシャンプーボトルやボディーソープのボトルです。

山村秀炯『老後ひとり暮らしの壁』(アスコム)

放っておくと湯垢がついて黒カビが生えてくるのですが、本人はポンプを押せれば問題ないわけなので、ボトルがずっと同じ場所に置きっぱなしになってカビてしまうのでしょう。

トイレはゴミが溜まり始めます。過去に驚いたのは、トイレットペーパーの芯が、天井に届くくらい高く積み重ねられたトイレです。ピラミッドを組むように丁寧に積まれていました。

もしかすると、用を足している間に手持ち無沙汰なので、なんとなくそこに転がっていたトイレットペーパーの芯を積み始めたのが最初なのかもしれません。

「まあ、いいか」が家全体に広がっていく…

これは極端な例ですが、「トイレで出たゴミをまとめて捨てることが苦手」な人が、ゴミ屋敷の住人には少なくありません。

トイレに雑誌を持ち込んだまま何冊も放置しているケースも多々ありました。理由は不明ですが、衣類がなぜかトイレに放って置かれていることもありました。

風呂やトイレは普段の生活空間とはちょっと区切りがあって、汚れても「まあ、いいか」になりがちです。自分以外に使う人がいないと、なおさらです。

でも、その「まあ、いいか」がやがて部屋にまで侵食していくと、ゴミ屋敷化してしまいます。

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