「試験日」という納期までに勉強を終える
受験勉強とは、やみくもにやって合格するモノではありません。大学が出題する範囲の内容をしっかり学習して、出題された問題に正しく答えることができれば、合格するというものです。仕事と同じく、「入試本番日」という納期が設定されており、それまでに必要な内容を頭に入れることができていればオッケー、というものなのです。これは大学受験に限らず、すべての試験について言えることです。
ですから、受験勉強をする上では「どの内容をいつまでにこなすのか」が欠かせません。たとえ勉強していたとしても、それが受験本番で一切出題されない内容だったら、それは全くの無駄になってしまうからです。
そのため、僕は東京大学の2次試験で出題されないであろう数学Iの「データの整理」や英語の「難読単語・イディオム」は一切勉強したことがありませんでした。これは、どうせ出題されないことならば勉強する時間が無駄だと判断したためです。
志望校を研究して導き出した「勉強すべき内容」を、受験本番までに日割りして、やるべき仕事量を導き出す。受験勉強の必勝法はここにあります。ですから、僕は1週間ごとの計画を立てることはしていませんでしたが、受験本番までの日数カウントと、そこまでに終わらせるべき内容を日割りしたものだけは常に把握していました。
ノルマが終わったら何時であろうと勉強を終えて遊んでいい
僕がやっていたことは、次の通りです。
まず学校に向かう電車の中で「今日は、『数学の過去問を3年分』と『世界史の論述問題を2年分』、あと英語の要約問題を5題解こう」というようにノルマを設定します。そして、やるべき勉強を終わらせたら、何時であろうとすぐに家に帰って遊ぶ。あまりにも早く終わるようなら、次の日以降のノルマ設定の際に参考にしてもいいでしょう。逆に、設定したノルマが終わらなければ、自分の遂行能力を見直して、次の日以降のノルマを立てるときの参考にする。
このノルマは「入試本番の日に自分ができるようにならなければならないこと」と「今の自分の能力」を比較して、足りないと思われる部分を炙り出し、それらを参考にして立てていきます。自分の能力は、模試と普段から頼んでいた添削の結果で把握していました。
模試は、判定を見るのみならず、各科目の、各出題分野の正答率を確認してこそ、初めて役に立ちます。それぞれの分野で、自分がどれだけ得点できているのか、「得意」「苦手」のような印象論に頼らず、客観的な視点から明らかにしてくれるのです。