©︎三田紀房/コルク
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人の計画には必ず「願望」が入る

実は、夏を過ごす上で絶対にやってはいけないことがあります。それは「9時~11時は数学」「11時~11時半は休憩」「11時半~13時半は英語」のように、夏休みの間過ごすスケジュールをあらかじめカツカツに決めてしまうこと。時間割を決めるようにスケジューリングしてはいけないのです。

なぜならば、人は計画を立てると「願望」が先行してしまうから。「これくらいの勉強はしておきたい」「この程度の量はこなせるだろう」「こんなに勉強すれば十分だろう」という願望や妄想を基にしてスケジュールを組んでしまうのです。

願望が先行したスケジュールをこなすことは、ほぼ不可能です。それは、私たちが人間である以上、仕方のないこと。調子のいい日もあれば、悪い日もあるでしょうし、突発的に家族が病気にかかって看病しなくてはいけなくなることもあるでしょう。もしくは、いきなり友人に遊びに誘われるかもしれません。

計画通りにいかないとモチベーションも下がる

願望に基づいて立てられたスケジュールは、そういった日々のアクシデントを完全に無視して存在しています。すべての計画が「万全な自分」を基準として作られているので、少しでも不調になったり、アクシデントに見舞われたりすると、たちまち崩壊してしまうのです。

願望から成り立つスケジュールの恐ろしいところは、それが実際は実行不可能なものだったとしても、一見しただけではそうと見抜けないこと。たいていの場合では計画倒れを引き起こしますが、そうなっても「計画が悪かったんだ」ではなく「自分が頑張っていないからだ」と自分を責めてしまいます。そうなっては、次なる計画を立てるモチベーションが湧くはずもありません。

それでは、いったいどのようにして夏を過ごせばいいのでしょうか。