この注射でショボくれた孤独な老人への道を防ぐ
そして、もう一つ重要なポイントは、男性ホルモンはドーピングにも使われたほど筋肉をつきやすくする働きがあります。同じように運動していても、男性ホルモンが多い人は筋肉がつくわけです。
ところが、年を取って男性ホルモンが減ってくると運動しているわりには筋肉がつかない。
そうなると、筋肉量と筋力が低下する「サルコペニア」や、骨や関節にも障害が起こって歩行機能が低下する「ロコモティブシンドローム」など、フレイルの一種である運動機能障害を引き起こしやすい。
男性ホルモンを維持しておかないと、足腰は弱るわ、頭は弱るわ、意欲がなくなるわ、人づき合いが面倒になるわ、という、どんどんショボくれた孤独な老人への道まっしぐらです。
現実に私のクリニックの患者さんにも男性ホルモンを調べてみると足りない人がいっぱいいて、その人たちにおおむね注射で男性ホルモンを足すのですが、目に見えて元気になります。
75歳ぐらいの男性から、久しぶりに朝勃ちしましたとか、10年ぶりに風俗に行きましたなんて、メールが届いたこともありました。
奥さんはどう思われるかわかりませんが、その方は奥さんが認知症になられてからずっと介護している人ですから、それくらいは許されてもいいんじゃないかなと私は思っています。
いずれにしても、それほど元気になるということです。
肉を食べて、運動して、男性ホルモンを増やす
男性ホルモンを足すのに注射や薬は嫌だという場合は、まず、肉を食べましょう。肉に多く含まれるコレステロールは男性ホルモンの材料です。
先に言ったようにコレステロール値が高いほうが、うつにもなりにくい。よく牡蠣やニンニクは「精がつく」と言われますが、実際に男性ホルモンを増やす亜鉛がたくさん入っているので、ぜひ食事にとり入れてください。
また、男性ホルモンを増やすには運動をしたほうがいいといわれています。
そしてもう一つ、やっぱりエッチな動画を見ること、あるいは女性のいるお店に行くのがおすすめです。難しいかもしれないけれど、奥さんにバレないように気をつけて実行してください。
幸か不幸か女性は、閉経する時期になると男性ホルモンがむしろ増えるので、年を取って元気になる女性が意外と多い。人づき合いも盛んになるので、70代の団体旅行はほとんどが女性です。
そういう意味では女性に生まれて良かったのかもしれませんが、ぜひ、男性ホルモンの重要性に着目して、ご夫婦で男性ホルモンを増やせるように協力していただきたいと願っております。