和田秀樹が思う良い病院を見極めるポイント

「良い医者」を見つけるのは簡単ではないかもしれませんが、端的に言うと、心のケアをしっかり行ってくれる医者は信用していいと思います。

病気を治療するだけにとどまらず、患者さんの不安が消えたか、治療によって生活の質は向上したか、といった総合的な視点を持った医者こそ、本当の「総合診療医」です。

しかし、そういう医者が少ないのも事実ですから、複数の病院を回ってその手の自分に合う良い医者を探すしかありません。

私が思う良い病院とは、「待合室の患者さんが元気な病院」です。

よく待合室に老人がたむろして社交場のようになっている病院があります。かたや、同じ地域にある同じような規模なのに、老人が寄り付かない病院もあります。

何が違うと思いますか?私が見るところ、一番大きいのは医者の「人柄」の違いです。

社交場になる病院の医者は、老人に圧倒的人気があります。その人気も腕がいいということではなく、「話をよく聞いてくれる」とか「会うだけで元気が出てくる」といった理由なのです。

じっくり話を聞いてくれて、しっかり寄り添ってくれるかかりつけ医を見つけることができたら、しめたものです。

もし、そのかかりつけ医の手には負えない専門治療が必要な病気になったら、かかりつけ医に適切な専門医を紹介してもらえばいいでしょう。

自分に合う良い医者の探し方

そして、かかりつけ医は、何より「自分に合っている」ことが大切です。診療も医者と患者の信頼関係のなかで行われるものですから、相性が悪いとどうしても良い診療ができません。

和田秀樹『どうせ死ぬんだから』(SBクリエイティブ)

相性のいい医者を選ぶことが、そのまま心身の健康につながることも多い。いくら腕が良くても、会っているだけで気疲れするような医者は良い医者とは言えません。

医者との出会いには運もあるでしょうが、運を高めたければ、場数を踏むことです。たくさんかかっているうちに、「この先生に会うと気持ちが楽になる」「相性がいい」とわかってきます。

高齢者の場合、「本人だけの名医」が存在すると言っても過言ではありません。できれば、病院に行くのが楽しみになるような気の合う医者なら最高です。

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