自分を持つ人が高い評価を得る理由
そしてもう一つ、秋元さんには好きな言葉がありました。
「止まっている時計は日に2度合う」
例えば、ずっと前から延々とカスミ草だけを植えている人がいるとする。
自分の姿勢を決して曲げない。カスミ草は今はヒットしていない。
でも、何年かに一度、カスミ草の大ブームがやってきて、この人は高い評価を受けるのです。
一方、ただ流されて、ヒマワリだ、タンポポだと移ろう人もいる。みんなが行こうとするところ、そのときに流行しているものを追いかける人のことです。こういう人は、永遠に時代から5分遅れで走り続けることになります。一度も時間は合わない。
秋元さんはこう言っていました。
もし今、就職先を選ぶとすれば、あえて最悪のところを狙うだろう、と。
みんなと逆へ逆へと行く。それが自分のやり方なのだ、と。
危ない場所にこそ野イチゴはある
ボロボロの状況にあるときこそ、チャンスのシグナルなのだということです。
蛇がいたり、滝があったりもする。しかし、みんなが危ないという場所にこそ、野イチゴはたくさんあるのです。
そもそも正解なんて、どこにもないと秋元さんは言っていました。でも、正解だと言う人に、人はついていくのだ、と。
はっきり「こうだ」という思いを持っている人に近づこうとする。そして、そういう人のところに、仕事は集まる。
秋元さんは成功を手にした人にたくさん出会ってきました。では、この人たちは何が違うのかというと、簡単だと言っていました。
「行動を起こしている」ということです。
まさにこれは、行動こそが偶然を起こすから、なのかもしれません。
問題は、やるかやらないか、なのです。ここが運命の分かれ道。しかし、実行に移す人は案外少ないのだ、と語っていました。
みんなと逆を行く勇気を持てるか。
いつか合う時計を待てるか。
ユニクロしかり、ニトリしかり、ソフトバンクしかり、30年前はほとんど誰も知らない会社だったのです。それを選べた人が、大きな果実を手にしたのは事実なのです。