採用面接の最後に「君は運が強いですか?」と質問した
松下氏は、採用面接の最後に「君は運が強いですか?」という質問をしたそうです。そして「運が悪いです」と答えた人はどんなに学歴や試験結果がよくても不採用にしたと伝わっています。
運を意図的によくする方法があるなら、みなさんも知りたいだろうと思います。
松下氏の運をよくする原点は松下家ゆかりの守護神である白龍大明神でしょう。創業した際、和歌山市内の生家で祭られていたのを「御霊分け」し、以来、本社に祭られています。
企業経営と宗教、両者は全く関係なさそうですが、実は多くの日本企業が様々な宗教的行為を取り入れています。
以前、東京品川の高野山東京別院を訪れた時、コカ・コーラ関連の企業が社員研修をやっていました。高野山に伝わる阿字観という瞑想法をお伝えしているとのこと。その際、僧侶の方からトヨタの社員研修をされている旨も伺いました。
瞑想法は能力開発の一環と捉えられているようです。
神社の建立や祭祀も、企業経営で活用するからには、成果をあげてナンボでしょう。実際、成果につながることをこれからお示しします。
社寺のある地域では、「住民の地域愛」が増す
社寺参拝が主に効果を発揮するのは、次の2点です。
・他者の利益のために動ける協力的な人間性を育む
私の書籍をお読みの方なら、よくご存じのことですが、社寺のある地域では、住民の地域愛が増します。ある対象を愛すると、愛した対象のために貢献したい意欲が増します。より誠実に一生懸命がんばるわけですから、結果も向上します。
※このアイデアの元データは、2008年の土木学会で鈴木春菜氏ら東京工業大学の研究室メンバー(当時)が発表した論文。515名を対象に地域愛着について調査し、多変量解析でデータ分析した結果、社寺のある地域は、住民の地域愛が増す一方、他の要素(ゲームセンター・パチンコ店、川や池、田畑、森林、ファミレス、鉄道駅、商店街、公民館、大型ショッピングセンター、コンビニ、スーパー、古いまちなみ)は影響しないことを確認したものです。公園は、社寺に次いで地域愛着を増す傾向があります。