「参加メンバーとツーショット」なら人間味がある
人間味のある情報とは、例えば、こんな投稿でしょう。
・ワークショップ前の会場の写真を撮影。「参加するのに緊張して早く会場に来てしまった!」というコメントと共に投稿
・名刺交換している様子を撮影。「みんなが集まって名刺交換している。さあ、始まるぞ」と実況投稿
・仲良くなった参加メンバーとツーショットを撮影。「今日お会いしたワイナリーの○○さんと意気投合! 私の推進している郷土料理プロジェクトと何かコラボできないかな」と投稿
・スケジュール表を撮影し、「今日のワークショップのスケジュールはこれ」と投稿
・「講師はエステーのCM作ってる人なんだって!」と、講師と撮影した記念写真を添付し、エステーのCMサイトのリンクも貼ってみる
・「SNSの勉強をしました。みなさん、どんなことを発信したら良いですか? 皆さんが知りたいことを教えてください」と呼びかけながら、自社サイトのリンクを貼る
「私にとっての普通」は他人から見れば「非日常」
いかがでしょうか。「SNSの勉強会に参加した」という事実を整然とした情報として発信するのではなく、現場の刻一刻と変化していく景色や自分の感情、気持ちの動きを素直に切り取るだけで、“ネタ”は無限に生まれます。
「でも、僕のような中年オトコが、そんなことを発信して喜ばれるでしょうか?」
心配そうな顔で質問してくれたのは、漁業市場に勤める男性です。もちろん喜びますよ! その男性に、「大きな魚が水揚げされたとき、引っ張るときの様子を演じてみてもらえますか」と頼むと、彼は「お安い御用です」と笑いながら、すぐその場で演技をしてくれました。
私はその様子をスマホで動画撮影しました。「この動画を『#大物とれた』とハッシュタグをつけて、X(旧Twitter)やInstagramに投稿したらウケますよ」と解説すると、キョトンとされています。
それもそのはず、ご本人にとっては日常のありふれたワンシーンだからです。
でも、私を含めた多くの人からすれば、「大きな魚が水揚げされた瞬間」は決して、平凡な日常の一コマではありません。
「私にとっての普通は、皆さんにとっての当たり前じゃないんですね」
男性は気づいてくれました。その通りです。私たちにとっての“当たり前”は、他人から見れば、非日常です。それを冷静に吟味するだけで、ネタはいくらでも見つかるということなのです。