いつも明るい人にもネガティブな一面がある

生きていれば、楽しいことや嬉しいことだけでなく、悲しいこと、つらいことがあって当然です。人の心にはポジティブとネガティブ、両方の感情が存在しているからです。

周りから見たらいつも明るく、悩みがなさそうなポジティブな人でも、実は人に話せない悲しい過去を抱えていることもありますし、ネガティブ思考になりやすい人でも1日の中でちょっとした嬉しい感情が生まれたりするのではないでしょうか。

「いつでもポジティブな人」の方が実は危険

人の気持ちにはこうした両面があるはずなのに、「私にはストレスがないんです」「怒ることなんてありません」と本気なのか、演技なのか自分でもネガティブ感情に気づかないままでいる人に出会うことも多くあります。

しかし、このように、「いつでもポジティブな人」の方が実は危険です。

例えば、周りから「優秀な人」と期待されていた新入社員が、最初はバリバリ仕事をこなして成果を上げたのに、半年後には心がポキッと折れて休みがちになって出社できなくなる。これは本当によくあるケースですが、こうした状況に陥りやすい人こそ「いつもポジティブな人」の典型例です。

写真=iStock.com/mapo
「いつでもポジティブな人」はむしろ危ない(※写真はイメージです)

その原因として、「ネガティブ感情に気づけないほど心のセンサーが鈍感になっている」、もしくは「自分の気持ちにふたをして向き合えていなかった」のいずれが考えられます。

「今日も1日良いことばかりだった」ではなく、「悪いこともあったけど、1つだけ良いことがあった」と現実を受け止められる人の方が、幸福を感じやすいものなのです。

「ネガティブな気持ちになるのは、人間としてごく自然なこと」とまずは心に留めておきましょう。