なぜ一部の新入社員は短期間で辞めてしまうのか。日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子さんの書籍『ネガティブな自分のゆるし方』(クロスメディア・パブリッシング)より、ネガティブ感情との付き合い方を紹介する――。

誰もが「ネガティブ感情」を抱えて生きている

・仕事がうまくいかなくて落ち込む
・将来を考えると不安になる
・人の発言に対して嫌な気持ちになる
・最近パートナーとの会話がうまくいかない

ストレスを感じやすい現代社会では、誰もがこうした「ネガティブ感情」を心のどこかに抱えて生きています。

心配、モヤモヤ、嫉妬、ねたみ、焦り、悲しい、寂しい、つらい、苦しい、物足りない、失望、孤独感など、感情のバリエーションを挙げればキリがありません。

「ネガティブ感情=悪いもの」は誤解

多くの人はこうした「ネガティブ感情=悪いもの」だと思っていますが、カウンセラーの立場からすれば、それは大きな誤解です。まずはその誤解を解くことから始めていきましょう。

あなたの心に浮かんでいるネガティブな感情は、決して悪いものではなく、その感情を「なくしたい」「忘れたい」「どこかに行ってほしい」と考える必要はありません。

例えば、「明日の会議は遅刻できない。でも電車が遅れたらどうしよう」と心配になれば、「いつもより早く起きて、早い時間の電車に乗ろう」と前もって準備ができます。

つまり、ネガティブ感情は、視点を変えると健全な成長を促す「原動力」につなげられるということです。

しかも、心にネガティブな感情が生まれやすい人ほど、その先の成功を自らの力で掴み取るケースも多いと言われるので、ネガティブな感情をなくそうとする必要はないと言い切れるのです。