報告がほとんどになってしまう会議

本来、会議とは特定の議題を設けて意見交換をして、合意、意思決定を行うものです。しかし、日本の場合、多くの会社の会議は「進捗状況の報告」に終始しています。

よくZ世代が「それはメールで済む話ではないですか」と批判的にとらえていることが話題になりますが、まさしくその通りでしょう。

「みんなで会うことに意味がある」「意見交換は対面でないと説明できないニュアンスがある」といったことが会議開催の根拠となることがありますが、実際は資料や書類の読み上げや読み合わせなどがかなりの部分を占めています。

また「議論したうえで決定する」ことになっている検討・審議事項は、長々と議論しても結論が出ないことがほとんどです。

実際、「何かを議論して決める」ことは、ガチでやろうとするとなると、非常に時間がかかります。1年議論しても喧嘩けんか別れにしかならないというケースもザラです。

会議で決まるとは「どこかで妥協する」ということ。「議論して、よりよい結果が出た」ということは、めったにないといってもいいすぎではないのです。

会議の準備に時間をかけるのは自己満足

では、会社の長時間に及ぶ会議についてどのような姿勢で臨めばよいのでしょうか。

考え方としては3つあります。

「効率的な会議のやり方」を説いた本はとても多いのですが、実は会議で発生する滞りは会議の前後に発生しています。

たとえば、「効率的な会議にするために資料をたくさん用意する」のはどこの会社でも行われていることですが、これが滞りの要因をつくり出しているようなものなのです。

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当たり前のことですが、資料が多くなれば必然的に会議は長くなります。議論・検討以前にその資料の説明、これまでの進捗状況の説明などが加わります。プレゼンだけで30分くらいかかることもザラでしょう。

そうなると会議は延々と終わらないかもしれません。しかも資料づくりに1週間以上かけたりすれば、どう考えても短時間では終わりません。

資料というのはつくり込めばつくり込むほど、専門性が高くなります。大人数で会議に出席しても、内容を理解できる人は一握りになります。ムダな進捗状況報告などを省き、資料も最小限で済むようにして出席者はできるだけ絞ります。

「資料はなくてもよい」(どうせ後でほとんど見返さない)「出席者は最小限」(多くの人は発言しない)を徹底するのです。