トヨタの週次会議が行われる火曜の朝はどうか

それゆえ、月曜会議の非効率を理解している企業もあり、たとえばトヨタの週次会議は火曜の朝に行われるといいます。

また「週の折り返し点に当たる」ということから、水曜に週次会議を入れている企業もあります。

確かに火曜や水曜ならば、月曜の朝のように慌ただしいという感じもしないでしょう。しかし立案・議論メインの会議はともかく、進捗状況報告メインの会議を火曜や水曜に行うとなると、他のタスクに忙殺されている可能性もあります。

月曜のスタートから日曜のゴールまで移動するビジネスマンの人形
写真=iStock.com/takasuu
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そのため、「出席してもマルチタスク(内職)の時間で、パソコンを広げて別の書類をつくっている」という人も出てくるでしょう。

私がこれまで見聞きした話でも、D社では連日のように営業が会議をやっています。ただし課長は部下の営業報告を聞いているだけ。その代わり、事細かに報告させているので、会議は長時間に及びます。「いったい営業活動はいつやっているのか」と思うほどです。

しかし、これでは冗長な会議のみならず営業成績のほうも心配になってくると思うのは私だけでしょうか。

週末直前の金曜日に働く「締め切り効果」

滞りをなくすという観点から考えると、金曜夕方が最適といえます。

E社では営業の週会議は金曜日の夕方4時からと決まっています。時間も15分以内で必要事項はA4用紙1枚に箇条書きで数行以内と決めています。

「週末直前の金曜日の午後に会議をしても、みんな上の空で会議になりません」と思う人も多いのでしょう。

しかし、実はそうではないのです。まもなく週末という「締め切り効果」が働くことから、会議を早く終わらせようという心理が働き、逆に効率は上がるようになります。「これが終われば、休める」という気持ちになることで、冗長な会議が引き締まるわけです。

反対に火曜や水曜の会議は「ゆっくり時間をかけて立案したり報告を聞ける」と考える人もいるため、実際は時間が十分にあることに甘えて会議を長引かせたり、余談・雑談、あるいは意味のない質問などで時間が延びることになりかねません。

こういう会議好きの人に対して、金曜の夕方に会議を設定することで「週末なので会議はさくっと終わらせましょう」という無言の圧力をかけることもできます。

また、週末前に会議を行うことで、週明けのスタートの月曜朝から必要なタスクをタイムリーにこなしていけることになるのです。