中途採用で「社長とはフィーリングが合うが、現場社員とうまくいかない」人を採らないようにするためには、どうしたらいいのか。キャリアカウンセラーの中谷充宏さんは「社長が独断で決めるのではなく、採用プロセスに関わった社員の合議で採否を決めるといい。そうすれば、現場でのミスマッチを防ぐことができるほか、社内に採用ノウハウを蓄積させることもできる」という――。(第3回/全3回)

※本稿は、中谷充宏『小さな会社の採用お金をかけなくてもここまでできる!』(秀和システム)の一部を再編集したものです。 

頭を抱えるビジネスマンたち
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

社長独断ではなく合議制でミスマッチを防ぐ

特に社員数5名以下の零細企業では、「社長の好みやフィーリングで内定を出す、しかも面接後ではなく面接の最中に」というケースがよくあります。

社長が採否の最終決定権を握っているところが大半でしょうが、「社長とはフィーリングが合うが、現場で一緒に働く社員とうまくいかない」というケースもよくあります。こうしたケースでは「社長、また変なの採ったよ」と陰口を叩かれたり、現場から社長にフィードバック(FB)しないことも多いです。したがって、

①社長が独断採用

②現場社員との不一致

③短期退職

④社長が現場を叱責

⑤萎縮した現場が社長にFBしない

という悪循環を繰り返すことになります。

体験会で一緒に働いた社員の声をきちんと聴く

この改善策としては、応募者が入社後に一緒に働く社員達、アテンド社員達を交えて一緒に採否を検討するやり方を取り入れましょう。

そうすれば、社長だけでなく社内に採用ノウハウが蓄積できますし、現場の社員達と合わなかったから短期退職、という最悪の事態も避けることができます。

特に(筆者の推奨する)体験会を設ければ、実際に一緒に仕事をすることを通じて、社長では見ることができなかった細かい部分(たとえば「当社は5Sを大事にしているが、応募者は使った道具を元の場所に戻さない傾向あり」等)も現場社員は把握することができます。

こうした現場社員の声、アテンド社員の声もきちんと聴く場を設けて、参加者の合議制で採否を決めるようにしましょう。なお、参加者で意見が割れたりしたら、この最終決定は社長がやってください。