思いきり働くなら独立起業を

在職老齢年金を気にせず、のびのび働きたい人は、厚生年金に加入しない自営業やフリーランスという働き方を選んではいかがでしょうか。

報酬や年金をいくらもらっても、カットされることはありません。しかも独立起業すれば、家賃や光熱費、自己投資代を経費で落とせるというメリットもあります。

当社が運営するセカンドキャリア塾の塾生の方でも、定年後に独立起業し、「75歳まで頑張るぞ」と“積極的繰り下げ”をされる方もいらっしゃいます。

現在、61歳で社会保険労務士として独立された男性もその一人。その方が塾に見えたのは55歳のとき。ある大手保険会社の部長職でしたが、「再雇用されるよりは思いっきり働いて稼ぎたい」と役職定年後に猛勉強して、社会保険労務士の資格を取り、定年後に独立されました。何が何でも年金の受給期間は、75歳まで伸ばすと頑張っています。

その方に話を聞いてみると、新しい仕事をすることは、「とにかくワクワクする」と。クライアントと一緒に工場や店舗など現場を見に行って、ああだこうだと議論するのが本当に楽しいそうです。体を動かして働くと、お金も稼げるし、健康にもなるし、働き続けることがいちばんとおっしゃっていますね。

写真=iStock.com/ArLawKa AungTun
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定年後の資格取得のおすすめはコレ

好きなことをやっていると、皆さん元気です。そう、定年後に資格を取るなら、ぜひ自分の好きなことや向いているものを選んでほしいですね。定年後に資格を取られる方のなかには、周りの人の「やってよかった」という声に流されて、自分に向いているかどうかも考えず、やみくもに資格を取る方もいらっしゃいます。でも、これはNG。取ったあとに、実はそんなに興味がなかったという人もいて、それならそのお金を別のところに回したほうがいいのでは、と思ってしまいました。

また資格を取るなら、信頼できるものを取ったほうがよいでしょう。まず国家資格であること。認定資格はいろいろありますが、継続が難しく急にクローズするものもありますので、歴史がある、卒業生がいる、内容がしっかりしている……、その中身をきちんと精査することはマストです。

おすすめの資格は、IT系や介護系、マネー系です。シニアは情報弱者だと思われていますので、攻めていくなら、IT系の資格をぜひ取っていただきたいですね。介護福祉士などの介護系やファイナンシャル・プランナーといったマネー系は、ご自身の人生においてもとても役立ちます。

特に介護系は、自分の親御さんの介護で助けてもらったなど原体験をもとに、残りの人生で恩返しをしたいという気持ちで取られる方も多いです。もともと介護業界は人手不足で、特にマネジメント経験のある人が少ないので、マネジメント経験のある会社員の方がそういう資格を取ると、「ぜひ施設長になってください」と現場からはひっぱりだこになるという話もよく聞きます。自分に向いていると思うなら、チャレンジする価値は非常に高いと思います。