ビジネスシーンでは「ポエム」ではなく「行動につながる言葉」を

「話が浅い」と思われてしまう人は、概念だけで上滑りの会話をしていることが多いです。

たとえば、「仕事でもっと成長したいんです」と後輩から相談されたとします。

そこで、「え? 成長なんて気にせず、自分らしくでいいんだよ」「成長するには、ビジョンを持つことだよ」など、フワッとした抽象的な返しをするとどうでしょう。

「なんかいいこと言ってそうだけど、結局何かわからない」「いい言葉かもしれないけど、何も行動につながらない」と思われてしまいます。

「仕事でもっと成長したい」と言われたら、「そう感じるのは、たとえばどういうとき?」とエピソードを聞いてみてください。

さわらぎ寛子『言葉にする習慣 思いがまとまる・伝わる「言語化力」の身につけ方』(明日香出版社)

すると、「お客様に提案をするときに、あまりうまく伝わっていない気がする」と、具体的なシーンが出てきます。これによって、「それなら、どうするか」と行動に対するアドバイスができます。

文章を書くときも、なんだかよさそうなキレイなフレーズをただつなげていくだけでは、下手なポエムみたいになってしまいます。

ポエムを書くことが求められている場面ならいいですが、ビジネスシーンでは求められるのは、ポエムではありません。

ふんわりとしたキレイな言葉を並べるのではなく、自分や相手の行動が変わるような言葉を意識しましょう。

「実際に何をするか」を言葉にする

たとえば、「共感される文章を書くコツ」として、「感情を込めて書きましょう、体重を乗せて書きましょう」と言われても、何をどうしていいかわかりません。

抽象的な言葉でふんわり伝えるのではなくて、実際に何をするかを伝えましょう。

「共感される文章を書くには、感情を表す直接表現(嬉しい、かなしいなど)を使わずに、嬉しかったシーンを具体的に書き出そう」と言われたら、実際にやることが明確なので、できたかできなかったかがはっきりします。

・仕事をもっとがんばろう
・自分を好きになろう
・気持ちを整えよう

こうした抽象的な言葉では、実際に何をしていいかわからないし、できたか/できていないかのチェックがつけられません。

ふんわりとした概念だけを書いていると、ふわふわとしたポエムのままです。

それだと、相手に伝わらないだけでなく、自分でも何をしたいか掴めません。

何がどういう状態になったら、そうなったと言えるのか。

それを言葉にしていきましょう。

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