小さな成長・成功を見つけ、評価する

毎年、新入社員研修を担当していてひしひしと感じるのが「年々、新入社員が幼くなっている」という点です。デジタルネイティブである今の20代の方々は、私たちがその世代だったころに比べて、賢く、スペックも高いと感じます。一方で、とにかく幼い。

その1つの原因は、人間関係の摩擦を経験してきていないからだと思います。インターネットで自分の趣味嗜好と合う人とばかりつながることができ、面倒くさい人間関係はすぐに切ることもできます。失敗を恐れて一歩踏み込むこともしないので、人間関係のトラブルも少ない。だからこそ、人間的な経験値があまりにも少ないのです。

幼いが故に、社会人として当たり前のこともほとんど知りません。しかし、それは言い換えればまだ「まっさら」な状態であるということ。ここからいかようにも成長していくことができます。

そこでぜひ取り入れていただきたいのが「小さな成長・成功を見つけ、評価すること」です。小さな成長・成功とは、昨日よりも今日、ほんの小さなことであっても成長したり、挑戦したり、工夫した結果うまくいったりした経験のことです。

先輩・上司は決してバカにしてはいけない

成長は一朝一夕にはいきません。しかしそのプロセスはあまりにも地味で、努力を続けるのは簡単なことではありません。一歩一歩確実に成長し、努力を続けていくために最も大切なのが「成長していることを実感する」ことです。

小さな成長・成功の体験は小さすぎて時に本人も気づいていなかったり、その喜びをすぐに忘れてしまったりします。そこで日々「今日、自分ができるようになったこと」を見つけて言葉に出したり、紙に書いたりしてアウトプットすることを習慣化することで、自身の成長を実感し続けることができ、それが次の行動のモチベーションになります。

先輩や上司の立場にある方は、彼らの小さな成長・成功を「そんなこと⁉」とバカにするのではなく、挑戦した姿勢や一歩進んだ事実をしっかりと認めて承認をしてあげてください。今は、承認こそがやる気に直結します。

新入社員の育成には時間がかかります。これからは、これまで以上に基本的なことから教えなければならず、より長期戦になっていくでしょう。しかし、やった分だけ確実に前進します。「Z世代だから分からない」「仕事ができない」と匙を投げるのではなく、根気強く向き合い続けてください。

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