原作者は完成したドラマを愛していた

日本テレビと小学館から別々に報告書が出されており、双方の認識が異なる点も多いことから、主張の違いばかりが取り沙汰される結果となっている。

そこを議論することは悪いことではないが、見解が一致している部分も同時に明確にして、事実の可能性が高いところを理解し、そこを前提として議論をしなければ片手落ちになる。

有識者も含めて、多くの人が見落としているのは、「原作改変はなされていない」「原作者は完成したドラマに満足していた」とした点だ。

日本テレビの調査報告書には「本件原作者は作品の出来自体には満足している様子が見られた」とある。また、小学館の調査報告書には「本事案では、多大の労力を要したものの最終的には、芦原氏が納得した脚本が完成し、テレビドラマも成功と言える成績を上げた」とある。

自身で削除してしまっているはいるが、芦原さん自身が2024年1月26日に投稿したブログの締めくくりの文章は下記の通りである。

最後となりましたが、素敵なドラマ作品にして頂いた、素晴らしいキャストの皆さんや、ドラマの制作スタッフの皆様と、「セクシー田中さん」の漫画とドラマを愛してくださった読者と視聴者の皆様に深く感謝いたします。

原作改変は最終的には「阻止」された

また、原作改変については、同じ芦原さんのブログ投稿から、下記のことが述べられている。

・1~7話は、脚本家から上がってきた脚本に芦原さんが加筆修正を加えて、ほぼ「原作通り」となった
・ドラマオリジナルの8~10話の脚本については、8話は改変される前の内容に芦原さん側で修正した。9話、10話は芦原さん自身が書いた

日本テレビ、小学館の両方の報告書を見比べても、この点に間違いはなかったようだ。そもそも、芦原さんは小学館側と事実確認をした上で、このブログを投稿しているのだから、小学館の報告書で同じ結論になるのは、当然と言えば当然のことである。