最初の一歩は「自分を知ること」
「働く意味をつくる」とは、周囲の人の価値観や人生観にまで関わり、同時に目の前のビジネスが目指す方向性と絶妙なバランスをとる、というプロセスだ。そのためには、相手の内なる声にとことん耳を傾け、隠された表情に目を向けてほしい。
他人の心を理解するのは難しい。だから、最初は自分を知ることから始めてみたらいい。自分を客観的に見つめ直してみる。そもそも、自分はなんで働いているのか、考えてみる。
そうすれば知らなかった自分に出会えるかもしれないし、周囲に対しても新しい意図が生まれて、見方が変わるかもしれない。すると、周囲の望むこと=ビジネスの目標というプロセスに至る第一歩が生まれるのではないだろうか?
A.
「成長できる会社」とはどんな会社か
ぼくの話は「成長したい!」と思っている人しか共感しないと思うが、次の問いにあなたはどう答えるだろうか?
A.
「成長したい!」という前提のもと、この問いを尋ねると、たいていは「ネームバリューのある会社」「人気企業」「福利厚生を重視しているところ」などと答える。
でも、こうした会社は「成長したい」というニーズと合っているのだろうか?
これは、ぼくたち大人側に責任があるのかもしれない。つまり、ぼくたちが無意識的に、若い人に対してこんなふうに洗脳してしまっているような気がする。
いまの時代、週休3日制で、ハードに働くことはせず、タイパよく効率的に働き、幸せな人生を実現していく――それが理想的なビジネスパーソンの人生である、という風潮があるように思う。なぜ、働くことを嫌なものとして、働くことを嫌いになるような文脈をつくっているんだろうか?
「成長できる会社? なら、研修制度がしっかりしている会社かな……」と答えても、なんら非はない。そう教えられてきたんだから、それが真実だと真に受けているだけで、ただ純粋なんやと思う。