仕事も勉強も、要領がいい人はズル休みがうまい

仕事の目標は、一朝一夕で達成できるものではありません。

勉強やダイエットのような目標も同様で、数カ月以上の時間をかけてじっくりと取り組む必要があります。

そこで重要なのは、目標達成のための継続です。適度に休息を取りながら、適度な緊張感を持って続ける習慣が重要です。

しかし、真面目すぎる人は、「サボることはダメ」という意識が強すぎて、疲れていても休まずに続けようとしてしまいます。

息切れしてモチベーションが一気にダウンするのも時間の問題です。

これでは、成果を上げるどころか、目標達成前に倒れてしまいます。

一方で、要領のいい人は息抜きが上手です。私がこれまで出会ってきた要領のいい人は、いい意味で「ズル休み」が上手な印象でした。

いわゆる「チート・デイ(cheat day)」、直訳すると「反則の日」「ズルの日」を設けていたのです。

たとえば、ダイエットではカロリーを制限したり、糖質を控えるため、ストレスが溜まりやすい傾向にあります。ここでストレスを上手に解消できなければ、モチベーションが低下し、継続が困難になります。

ダイエットを継続させるためのチート・デイ

また、ダイエットではその過程で体重が上下することは普通であり、「あんなにがんばっているのに、うまくいかない」と言って挫折する人も少なくありません。

そこで、ダイエット中でも「好きなものを食べていい日」を週に1回設けてあげます。ケーキやラーメンなど、普段は制限している食べ物を楽しむことで、何カ月もの減量生活のなかで生じるストレスやモチベーションの低下を軽減できるのです。

特に、体重が落ちていない期間でも、チート・デイを上手に活用することで、モチベーションの維持ややる気の再燃につながり、ダイエットの継続が容易になります。

アムステルダム自由大学の研究によると、「チート・デイ」を設けた人と設けなかった人とでは、「チート・デイ」を設けたグループのほうが、目標に向けて継続的に取り組むことができたそうです。

また、この研究から、チート・デイを設けることによって次の3つの効果が得られることがわかったそうです。

第一に、セルフコントロール(自制心を働かせること)力を回復できること。

第二に、モチベーションを維持しやすくなること。

第三に、感情が安定することです。