「甘い期待」よりも「苦しいもの」と思えば何とかなってしまう

さて、カートンは作業を始める前に、半分のグループには、「時々、監督者に邪魔をされることもあります」とストレスがあることを予想させておきました。残りの半分にはそういう説明はしませんでした。

内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)

すると、ストレスを予想させられたグループでは、邪魔をされてもストレスをそんなに感じずにすみ、作業量も落ちないことがわかったのです。あらかじめストレスがあることを予想しておけば、私たちはそれに耐えられるのです。

ちょっと話は変わりますが、これから結婚をする人は、結婚に甘い期待などは抱かないほうがいいですよ。

むしろ、ケンカをしたり、子育てで苦労したりするなど、大変な思いをするものだと思っていたほうがいいでしょう。そのほうが、結婚生活に幻滅しないですみますからね。

結婚に甘い期待を抱いていると、現実には苦しいことのほうが多いので、「だまされた!」「もうイヤだ!」ということになってしまいます。甘い期待を持っているほど、現実の結婚生活に対する幻滅は大きくなります。

これから社会人になろうという人にも同じアドバイスをしておきましょう。

どんな仕事もそうだと思うのですが、苦しいことや悲しいことはいくらでも起きます。社会というのは、そういうものです。ヘンに甘い期待などを持っていると、ガッカリすることばかりが起きて、すぐに会社を辞めたいと思うかもしれませんので気をつけてください。

「仕事は苦しいものだ」と思っていたほうが、耐性がついて、けっこう何とかなるものです。

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